観劇・旅行・日々のこと


by nao201009
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カテゴリ:観劇記録(Seoul)( 3 )

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「韓国ミュージカルが熱いらしい」ということはだいぶ前から気になっていました。
その韓国が誇るチョ・スンウ氏の「ジキル&ハイド」。今回の旅のいちばんの目的はこれでした。
兵役からの復帰ということもあって話題沸騰、Interparkのサイトではスンウさんの公演日はすべて秒殺だったとか。
幸いeプラスでも扱っていたのでなんなくGet。2006年に来日公演があったんですね。

素晴らしかった!
この作品自体、観るのが5年ぶりくらいで懐かしさもあったのだけど…ううん、今まで観たジキハイとはまるで別作品だった!
これが韓国ミュージカルの実力なのか…はまる人の気持ちがよ~くわかった!
心配だった韓国語への違和感は、むしろその異質な響きがこういうゴシック調の作品で、さらに不気味さを倍増させる機能を果たしてくれました。


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そしてなんといってもチョ・スンウ氏…。
一見、ミュージカル役者というよりは「好感度抜群のニュースキャスター」的な風貌なのだけど。

すごい。すごいとしか言えない。
ただ圧倒されるばかりの数時間。

「This is the moment」のイントロが始まった時、劇場のボルテージが一気に高まったのを肌で感じました。待ってたんだ、みんなまさにこの瞬間を…

そしてハイドへ変身する場面では…度肝を抜かれたっ!
異変に襲われ、のたうちまわるその身体が…ハイドに近づくにつれて大きくなっている?
これは生身の人間だよね?CGじゃないよね??

そうか、これが役者の技術というものなんだ。
衣裳や演出ではなく、己の肉体そのものだけで「変身」という非現実的な光景をこれ以上ないインパクトで演じる技術。
身体のあらゆる筋肉や関節の可動域、どこをどう使えば大きく見せることができるかをわかっているんですね。

とにかくハイドとしての存在感は強烈…
ルーシー殺害の場面なんて、あちこちで軽く悲鳴が上がってましたもの…ブルブル…

終盤の、照明の切り替えに合わせた高速演じ分けも、生身の人間の仕事とは思えないっ!
何度でも言いたい、本当にすごいものを観ました。

それにしてもこんな役者さんを容赦なくファンから奪う兵役制度って非情ですねぇ。
でも、その空白の期間が彼にいっそうのカリスマ性をもたらしている。
みんなどんな思いでその復帰を待っていたか。
彼もそれをわかっている。そしてその期待に200%で応えている。

カーテンコールもそんな深い絆を感じさせるものだった。
でも変に馴れ合い的でないところがいい。
もちろん総立ちでヒューヒュー大喝采だけど、意外とあっさり終わるという(笑)
みんな熱狂したはずなのにね。こういう観客の姿勢っていいなぁ。
個人的には、何度も引っ張り出すカテコってあまり好きではないので。(楽日とかは別ですが)

それにしても韓国ミュージカル、もしかして禁断の扉を開けてしまったかな…
NYと違ってちょっと無理すれば行けてしまうというのが危険すぎる~!!
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by nao201009 | 2011-02-06 18:22 | 観劇記録(Seoul)

Without You ソウル公演

たったひとりのミュージカル。
Anthony Rapp(RENTのオリジナルMark)がその実体験をひとり何役もこなして演じるもの。
RENTの作者Jonathan Larsonのあまりにも突然の死、そして最愛のお母様の死。
それぞれのその当時の光景をリアルに語り、会話を再現し、歌を交えながら演じられる一人舞台。

特にJonathanについては当時の様子が時系列で詳細に演じられ、改めてその死の衝撃の大きさを痛感しました。

プレビュー公演の前日。ドレスリハーサルを無事成功させ、興奮が治まらないAnthonyはあらためてJonathanに、ともに仕事ができる喜びと感謝を伝えようするのだけど、当のJonathanは取材記者に囲まれて近づく事ができない。
あきらめて遠巻きに「I’ll see you tomorrow」と声をかけて現場を後にするAnthony。
そして翌朝。信じられない突然の悲報。
信じられない形で迎えてしまったプレビュー初日。あの有名なエピソードがAnthonyの言葉で語られる…

そして後半はお母様との温かいふれあいの数々。
癌に侵されたお母様を何度も何度も見舞うAnthony。
徐々に弱っていくお母様。どうしたって避ける事のできない永遠の別れ。
それでも仕事のためにNYに戻らなければいけない。
別れを切り出す時のやるせない表情が今でも焼き付いています。

大切な人の「あまりにも突然の死」と「覚悟しなければならない死」
辛い…どちらも究極に辛い。

もちろんAnthonyはプロフェッショナルに徹しているので感傷的な様子などは少しも見せないけれども、この作品を演じる事はその悲しみをえぐるような痛みに耐える事なのではないかな。

今思い返しても、実際はAnthonyの一人芝居を通してしか観ていない光景が、まるで実際に観た残像のように浮かんでしまうから不思議。
それだけAnthonyの演技はリアルだった。

親や肉親にもっと優しくなろう。
仕事仲間や友人にもっと敬意を持ってお互い尊重しあえる関係を目指そう。

もちろんこの作品に、そんなお説教くささや押しつけがましさは微塵もありません!
むしろ事実を淡々と演じるドキュメンタリー風な印象を受けました。

でも、Anthonyの真摯に演じる姿やRENTのステージドアでいつもひとりひとりに会釈しながらサインしていた姿などを思い返すと、そう思わずにはいられないのです…
「大切な人の死を無駄にしない事」って結局はそういう事なのだと思う。

カーテンコールはSeasons of love。
その時のAnthonyの笑顔や歌声がひたすら穏やかで優しかったことも止まらない涙に拍車をかけました…
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by nao201009 | 2010-10-31 18:35 | 観劇記録(Seoul)

韓国から戻ってます

昨日の夜、韓国から戻りました。
今日はもちろん普通に仕事でさすがにちょっと疲れ気味…

でもこれだけは書いておこう。
むこうでAnthony Rappのひとりミュージカル「Without you」を観てきました。
もともとは「観れたら観たいなぁ、でもNYと時期的にかぶるし無理か」という感じだったのだけど、
ちょうどこの時期にソウルへ行くという友人のお供も兼ねて強行軍決定。

24日のマチネを観ました。
無理して行って良かった。
観劇して頭痛がするほど泣いてしまったのは初めて。
そして、観劇してこんなに厳粛な気持ちになったのも初めて。

良い舞台を観た後、いつもだったら「また観たい!」という気持ちでいっぱいになるのだけど。
この日は友人を待たせていたので、どんなに気持ちが高まっても夜の公演まで観る事はできないと決めていました。でも…リピートする事よりも、詳細な感想を残す事よりも、何よりも優先してやらなければならない事があるような気がする。

たったひとりの舞台。
魂を削るように歌い演じるAnthony。
演じる事の意味。観劇する事の意味。
いろいろな思いが今でも錯綜しています。
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by nao201009 | 2010-10-26 23:59 | 観劇記録(Seoul)