観劇・旅行・日々のこと


by nao201009
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太平洋序曲 

NY初演は1976年ですか。
この時期のソンドハイムの創作意欲ってすごい。
といっても興行的に成功とはいえない作品だったでしょうけど、それは無理もないですね。
「日本開国」という史実に基づいて、ここまで完全に日本の立場で書かれた作品だったなんて…そりゃあアメリカ人にとっては興味の対象にはならないでしょうねぇ。

当時の、彼らの「日本人に対する認識」で演出された舞台。どんなだったんでしょうね~。ちょっと怖いもの見たさで観てみたいかも。
でも、それはあくまでも演出だけの事で、音楽性とか脚本的には「日本人」に対してとても真摯に取り組んでくれていたんだなぁ、という事がわかります。
それが亜門さんによって「アメリカ人が作った事がわかる」程度の微妙な違和感で仕上げられている感じ。絶妙です。
各国の士官をデフォルメしているのは亜門版オリジナルかな?ちょっと仕返し?(笑)

面白かったし泣けた。つまり、よかったーー!!
とにかく劇場の空間全体を利用するような演出が斬新。
黒船来航の場面なんてゾクゾクしちゃった。客席中央を貫く花道も。
水面に浮いてるような舞台も。(島国ニホンですからね)

曲も良かったです。
「帰り待つ鳥」かな?香山(八嶋さん)の着付けを奥さんが手伝うシーンで…いいシーンだったなぁ。あれは日本人にしか表現できないと思ってしまいました。
2幕の「A Bowler Hat」も。いかにもソンドハイムという感じ。心情がそのまま曲になるという。

ストーリーも、香山と万次郎の関係があんなふうに変わってしまうなんて(もちろん史実とは違うけど)
激動の時代、大きなうねりの中で誰もが必死に日本の将来を考えて生き抜こうとした結果の悲劇なんだろうな。あぁ。泣けた。
これをアメリカ人が(しかもソンドハイムが)書いたのかと思うとよけいに泣けた!

ラストの「Next」は…この曲も1976年初演当時からあったんですよね?やっぱりすごい。
このラストは、きっと再演されるごとに、その時代を生きる人々の想いが込められて歌いつがれていくためのナンバーですね。
この作品がBroadwayで葬りさられたままにならなくてよかった。今の日本で演じられてよかった。


最後に。
2階席から見てたのですが、この舞台ってオケが舞台の両ななめ上(舞台至近のBox席みたいな)にあるんですね。
コンダクターの方がもしかして…と思ったら!やっぱりレミコンを振ったDavidさんだー☆♪★
4年前に10周年コンサートのDVDを観た時からお気に入りだったのです。昨年の25周年コンサートでも登場してくれて感無量だったのだけど、まさか生で観れるなんて。
決めた、来週また観る!
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by nao201009 | 2011-06-26 00:13 | 観劇記録(国内)

What a Wonderful World!

GGR 千秋楽観てきました。
あらためてやっぱりおもしろい、この作品。off broadwayでもやらないかな。
パッと見、しがないサラリーマンがグチャグチャ言ってるだけの舞台なんだけど。
それぞれのキャラを掘り下げたら社会の縮図になりそう。

中でもやっぱりローマはねぇ…。切ないねぇ…。
もちろんレヴィーンへの憐憫も感じる。でもそれ以上にローマがね。

彼らのような悪徳セールスでなくとも、決してモチベーションのおちない人っているものです。
事務所が荒らされ、汗水流して獲得した契約書も盗まれて怒りを爆発させるローマ。
「無駄な仕事だ!」と言いながらも、いそいそと契約の取り直しに行こうとする。
もちろん一度成立した契約は書面の有無によらず有効なのだけど完璧主義がそうさせるわけですね。「客ネタ」への執着も、追い詰められたレヴィーンと違ってローマの場合は本能がそうさせているように見える。
たとえ明日、世界が終るとわかっていたとしても普通に「客ネタよこせ!」って言ってそう(笑)

目的のためにしか働けない人間がいるとしたら、働く事自体が目的の人間もいる。
でもローマが切ないのは、それだけじゃなくて。
それだけのモチベーションを維持しながらも結局一匹狼にはなれず。
あれだけの罵声を浴びせた若造上司にあいかわらず「客ネタ」をねだる。
かつてのレヴィーンのように飛び込みセールスで充分やっていけそうなのにね。
おのれもまた「会社人間」である事を露呈させるあのラスト。唐突な終わり方も現実を強調しているようで秀逸。

冒頭の「Wonderful World」は「さー皆さん、こんな世界を笑ってやってください」って事?

それとローマって、一瞬「実はいい人?」って思わせるのだけど。
あれはなんというか…ただ単に「人の感情」に敏感なだけですね。
敏感なだけで決して共感はしない。まさに天性の詐欺師?
いや、資質はあるけど何かが欠けている人物なんだろうなぁ(「客ネタありき」でしか働けないとか)
深いよ、石丸ローマ!

(他の役者さんも皆さん素晴らしくて濃密な舞台だったのだけど、結局石丸さんしか観てなかったらしいです。。)


実は映画も観ました。
え・え~!エド・ハリスがモスだったの?!ケビン・スペイシーが若造上司だったなんて~!
見応えあったー!
アル・パチーノも素敵なんだけど石丸ローマのキャラ観ちゃうと物足りない(笑)
そして映画は完全にジャック・レモン(レヴィーン)が根こそぎ持ってきますね。
もう、最後のあの泣き笑いのような表情…もう、もう…(号泣)
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by nao201009 | 2011-06-19 22:04 | 観劇記録(国内)
これ、スクリプト欲しいです。
いえ、石丸さんの口から発せられたお下劣セリフを確認したいわけではなく(笑)
働く励みになりそうなセリフが満載だったから。

確かに詐欺まがいなんだけど、ここで繰り広げられている世界は、営利企業で働く者であれば多かれ少なかれ他人事ではないはず。

石丸さん演じるローマは情け容赦なく人を食い物にするけど、あの仕事への情熱は私利私欲だけではないんですよね。いる、こういう人。悪の正義っていうのかな。

坂東さん演じるレーヴィン。
自分の仕事のやり方ががすでに陳腐化している事も、下から軽んじられている事もイヤというほどわかっている。精一杯の虚勢が哀愁を誘う。

本部から監視員気どりで派遣された若造上司とかも。いるいる~!
まさに企業社会の縮図のような舞台。

これ見せたら泣くだろうなーと思う知人が少なくとも3人はいますよ(笑)
追い詰められた者同士の連帯感とか、現場たたきあげの意地とかね。

もう、ローマがクーリングオフしようとする客を必死に説き伏せる場面なんて胸が痛くて観てられなかった…
ここでレーヴィンもいい仕事するなぁ。
若造上司に向かってローマが吐き捨てた言葉。レーヴィンが戒めた言葉。メモりたかったよ~!

そんなわけで、この世界は決して「ひと昔前のアメリカ」でもなければ「サブプライム後の日本」でいま始まった事でもなくて、古今東西、普通に一般企業で繰り広げられる現実だと思う。

なぜ大学教授などに解説させるのだろう…机上の空論炸裂。(言っちゃった!)
その点、やっぱり石丸氏はさすが。
後からパンフ読んで大興奮しちゃいました。掘り下げてますねー、ローマという人間を。
しょせん「井の中の蛙」とは。そうそう!そうなんですよね。それもまた現実。
石丸さん、サラリーマン経験なんてなかったですよね?

いいもの観ましたー。楽も観ます!
映画も観たくなった。
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by nao201009 | 2011-06-11 23:31 | 観劇記録(国内)