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観劇・旅行・日々のこと


by nao201009
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What a Wonderful World!

GGR 千秋楽観てきました。
あらためてやっぱりおもしろい、この作品。off broadwayでもやらないかな。
パッと見、しがないサラリーマンがグチャグチャ言ってるだけの舞台なんだけど。
それぞれのキャラを掘り下げたら社会の縮図になりそう。

中でもやっぱりローマはねぇ…。切ないねぇ…。
もちろんレヴィーンへの憐憫も感じる。でもそれ以上にローマがね。

彼らのような悪徳セールスでなくとも、決してモチベーションのおちない人っているものです。
事務所が荒らされ、汗水流して獲得した契約書も盗まれて怒りを爆発させるローマ。
「無駄な仕事だ!」と言いながらも、いそいそと契約の取り直しに行こうとする。
もちろん一度成立した契約は書面の有無によらず有効なのだけど完璧主義がそうさせるわけですね。「客ネタ」への執着も、追い詰められたレヴィーンと違ってローマの場合は本能がそうさせているように見える。
たとえ明日、世界が終るとわかっていたとしても普通に「客ネタよこせ!」って言ってそう(笑)

目的のためにしか働けない人間がいるとしたら、働く事自体が目的の人間もいる。
でもローマが切ないのは、それだけじゃなくて。
それだけのモチベーションを維持しながらも結局一匹狼にはなれず。
あれだけの罵声を浴びせた若造上司にあいかわらず「客ネタ」をねだる。
かつてのレヴィーンのように飛び込みセールスで充分やっていけそうなのにね。
おのれもまた「会社人間」である事を露呈させるあのラスト。唐突な終わり方も現実を強調しているようで秀逸。

冒頭の「Wonderful World」は「さー皆さん、こんな世界を笑ってやってください」って事?

それとローマって、一瞬「実はいい人?」って思わせるのだけど。
あれはなんというか…ただ単に「人の感情」に敏感なだけですね。
敏感なだけで決して共感はしない。まさに天性の詐欺師?
いや、資質はあるけど何かが欠けている人物なんだろうなぁ(「客ネタありき」でしか働けないとか)
深いよ、石丸ローマ!

(他の役者さんも皆さん素晴らしくて濃密な舞台だったのだけど、結局石丸さんしか観てなかったらしいです。。)


実は映画も観ました。
え・え~!エド・ハリスがモスだったの?!ケビン・スペイシーが若造上司だったなんて~!
見応えあったー!
アル・パチーノも素敵なんだけど石丸ローマのキャラ観ちゃうと物足りない(笑)
そして映画は完全にジャック・レモン(レヴィーン)が根こそぎ持ってきますね。
もう、最後のあの泣き笑いのような表情…もう、もう…(号泣)
by nao201009 | 2011-06-19 22:04 | 観劇記録(国内)