カテゴリ:観劇記録(Chicago)( 3 )

※3月上旬に書きかけていた記事。やっぱり仕上げてUPしておこう。

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今回のツアー版レミゼのキャスト陣。
ひと言で言い表すなら「暴走系」…(笑)

プリンシパルキャストは皆、競うように激しく歌いあげ、アンサンブルの迫力もこれまで観たレミゼで最高のものでした。本来は、力強さと繊細さを併せ持つレミゼが好きですが、こんな力まかせのレミゼがあってもいい(笑)
やっぱり最強アンサンブルがもたらす感動は絶大だもの。

バルジャンとエポニーヌはアフリカンアメリカン。
特にエポ、ソウルフルです(笑)そしてたくましい!
登場場面で仲間の男のひとりにちょっかい出された時、一瞬でその男をねじ伏せ倒しちゃった!
これは新演出の一環?いちおう見どころに挙げておきます(笑)

コゼットもわりと自己主張しそうな感じ。キビキビしたコゼット。

マリウスはイメージどおり。ソロも彼がいちばんストーリーに溶け込むように歌ってくれていたと思う。
「Empty chair」は演出は疑問だったけどその歌声には泣けたし。

そしてアンジョルラス。
いちばん暴走してた人。まわりのみんなは「つきあってやるか」みたいな感じ(笑)
最後の攻撃では、もう半狂乱気味に叫んでバリケードに駆け上がるんだけど…
完全に腰が引けている!旗を振る後ろ姿もおっかなびっくり。
これが彼の役作りだとしたらある意味すごい。「いるいる、こういう人~!」って言ってあげたい(笑)

なんかこうやって書くと、まるでドタバタ喜劇だな…。
でも妙にクセになるキャストです。機会があればまた観たい。

あ、あとグランテールがよかった。
舞台の片隅でガブを優しく寝かしつける光景がなんともいえない余韻となっています。

決して理想のレミゼとは違うのだけれど、米国での新演出のお披露目にかける意気込みは十分に伝わりました。

ツアーは9月まで続きます。(いつのまにか来年の6月まで延長されてる!)
しかもかなりハードなスケジュール。
みんな頑張ってほしいです。
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by nao201009 | 2011-04-10 19:50 | 観劇記録(Chicago)
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今回の観劇で強く感じたこと。
「やっぱりレミゼは愛されている!」

BWと違って観光客がほとんどいない客席。
「我々は最愛の作品を観に来ている」といった空気に満ち溢れていました。
年齢層は高めで、初老の夫婦やリトルコゼット・ガブくらいのお子さんを連れた家族連れが多い。
子どもたちも集中を切らすことなく真剣に観ている。
BWだと観光客の観劇マナーの悪さに辟易する事があるけど、ここではそのストレスがまったくない。
一度だけ、私の前方にいた若い女の子のグループが劇中ひそひそやりだしたら…近くにいる大人たちが「シーーッ!!」(←もちろん他人同士)
「私のレミゼの邪魔は許さない」という緊迫感が、その後の観客席を支配しました(笑)

泣きどころも人それぞれ。あの場面この場面でそっと涙を拭う人々。
ソロナンバーが歌われるたびに満足そうに頷きながら惜しみない拍手を送る人々。
演出は変われど(そして実はかなり異色キャストだったにも関わらず)上演される限りいつ何時も応援する。
シカゴの(アメリカの、かな)レミゼファンにはそんな心意気が感じられる。日本ではどうだろう…?

...♪...♪...♪...

3夜連続で観劇したうち、中日のチケットはキャンセル待ちでとりました。
開演4時間前からいちばん乗りで。日本のファンの気合いも見せておかないと。

待っている間、窓口を訪れる人は後を絶たない。
とは言っても「Sold out」の声に、あっさり引き返す人も多く、私の後に並んだ人の数は実はそう多くはなかった。
この辺はやっぱり地方の劇場事情なのかな。寒かったしね。

予約したチケットを受け取りにくる人も多い。
その中でひとりの年輩の女性になにやらトラブル発生。
ticketmasterで予約した手続きが完了していないままで無効になってしまったらしい。
IDを出してもダメ。クレジットカードを出してもダメ。
絶望したその女性は、なんとその場で号泣してしまった!(個人的にはすご~くわかる)
車の中で待っていたご主人も飛んできたけど、ひたすら泣き続けてその場から動けないその女性。
すると窓口で対応していた男性が飛び出してきて、劇場の中にすごい勢いで駆け込んで行った。
数分後、戻ってきた男性はそのご夫婦に何か説明している。どうやら特別にボックス席を手配してあげたみたい。
アメリカの劇場では時折ある光景。
規則や義務ではなくハートで動く人がいる。
自分に利益のない事でも、こういう出来事に遭遇すると幸せな気持ちになるものです^^

そしてキャンセル待ちで取れたのは、申し分のない良席。
次の日も、窓口に顔を出したら「昨日はどうだった?」と聞いてくれた。
小さな窓の向こう側で、ファンの想いをしかと受け止めて仕事をしている人でした。
お兄さん、ありがとう。差し入れでもすればよかった。

初めて訪れた街でも、観光よりもキャンセル待ち。やめられそうにありません。
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by nao201009 | 2011-03-19 23:52 | 観劇記録(Chicago)
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昨年の11月からスタートしたレミゼの新演出版USツアー。
どうしても観たくて年明けから密かに計画していた今回の旅。
仕事の状況次第では直前のキャンセルもやむなし、と覚悟の上だったので無事飛ぶことができてよかった。。

チケットは計画当初にまず千秋楽(27日)を押さえ、行ける現実味が帯びてきた2月中旬に到着日(25日)を押さえておきました。
もちろん中日も観るつもりだったんだけど、すでに押さえた2回がどちらもサイド席。
一度くらいはセンターで観たくて、しつこくticketmasterを毎晩のようにチェックしていたら…
なんと1週間前にSold out!うかつでした。これがレミゼなんですね。

そんなこんなで実現した新生レミゼとの出会い。
注)ネタばれに配慮し、新演出の具体的な事象の核心については極力触れないようにしてます。

定刻通りOvertureが響きわたる。幕が上がり繰り広げられる新生レミゼ。
今回の新演出では、レミゼを象徴する舞台中央の盆(回転舞台)が撤去され、それに変わる演出手法の変化がいちばんの見どころだったと思います。

1幕の前半までは、いろいろ細かい違いはあっても盆を撤去した事による立ち位置の変化など、あくまでもマイナーチェンジに過ぎない範疇かと思いました。
そして、10年後のパリ、「ベガーズ」あたりからその試みは大胆になっていきます。
「ベガーズ」の出だし。これはなかなかのインパクト。
盆に変わる役割の一端を担っている仕掛けが生きてくる。

私の中では、この「ベガーズ」からが「本編!」というような思い入れがあるので、このインパクトはかなり好印象でした。
…でも、荒廃しきった当時のパリの雰囲気はオリジナルの方が伝わるかな。
こんな調子で新演出を観て痛感したのはオリジナル演出への愛着の深さだったりするのです。これはもう長年親しんできた以上しかたのない事。
製作陣だってそんな事は承知のうえでチャレンジしているのですもんね。

少しだけそのチャレンジを明らかにすると舞台の奥に当時の情景を描いた絵画が背景として写し出されるのですが、場面によってはとても幻想的に仕上がっていて、特にジャベールの「Stars」なんてため息がでるほど美しかった…。

「ABC cafe」や「Do you hear the people sing?」は良い意味でマイナーチェンジの域を超えない程度。

プリュメ街の場面は、新セットを活用したある古典的な演出に変わっていて、そのクラシカルさによってマリウスとコゼットの再会がより初々しいものになっていたと思います。
好みは分かれそうだけど、私はけっこうお気に入りです(笑)

さて1幕ラスト。
私にとってレミゼといえば「One day more」
それぞれがソロを歌いつなぎ、大アンサンブルへと集約されていくあの高揚感に、客席の片隅からでも全身全霊で身を任せたい。
それなのに今回の演出で、不覚にも最初の方で笑いそうになってしまった…。
いえ、もちろんシリアスさに欠けていたわけではなく完全に観る側の感性の問題です。
たぶん慣れれば大丈夫(笑)
全体的には趣向が凝らされた迫力のある演出に仕上がっていました。
よりグッと迫ってくる感じ。実際にスタオベする人もいたし。

「One day more」の興奮さめやらぬまま2幕へ。
前半はそれほど大きな違いはなかったと記憶。細かい演技や立ち位置の違いくらいかな。
ただバリケードがやけに小さくて…これはツアー版ゆえの事情である事を祈ります。

そして、おそらく今回の演出改定でいちばん練られたであろう場面。
回転しないバリケードで、あの場面、この場面はどのように演出されるのだろう。

ガブローシュのところは、新演出の方が個人的には受け入れやすいかな…
ある人物(もちろんガブ以外)の演技が見どころです。
そしてアンジョルラス。
あの悲しくも美しい光景の流れを微妙に汲みながらも、リアリティを増したというか…。
ちょっと中途半端感が否めないかなぁ…。熟考しすぎた結果なのでしょうか。
この場面の改定に対する製作陣のナーバスさを垣間見た気がしました。

でも、私が今回いちばん違和感を持ってしまったのは「Empty chairs」
ここだけはできる事なら元に戻してほしい…(盆、関係ないし)
(彼らに)ある趣向が加えられているのだけど、高潔に散らんとした魂は、ただ佇むだけでよいのではないかと。

この後、エピローグまでは大きな違いはなかったと思います。

全体としては、盆に変わって配された舞台セットを生かした演出が多く、確かにこうして見るとオリジナルのセットとはなんとシンプルなものだったのだろうと思えてきます。
でも、その殺風景な舞台だからこそ、ひとたびメロディが流れ出せば鮮やかに情景が浮かび、誰かがソロを歌えばその心象風景が映し出される。レミゼはそれでいいのかもしれない。

あと、はっきり言ってこの演出は「センターから観てなんぼ」のものです。
そのくらいビジュアルに頼るところの大きい舞台になっているのが懸念といえば懸念。
これから初めて新演出版を観られる方は、遠くてもセンターで観る事をお勧めします。

たぶん、この先この演出がスタンダードになってしまったら、オリジナルがたまらなく恋しくなる事もあると思う。
それでもやっぱりこのチャレンジには拍手を送りたい。
そして、レミゼは本当に愛されている。
また別記事でも書きますが、この前の25周年コンサート(今夜のBS!)でも、今回のシカゴ公演でも本当にその事を実感しました。
世界のレミゼファンは、上演される限りこの作品を愛し、支え続けるんだろうなぁ。
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by nao201009 | 2011-03-05 23:12 | 観劇記録(Chicago)