観劇・旅行・日々のこと


by nao201009
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DC3日目以降はもはや追憶の彼方へ。

今回いちばんの感動はNYで観た「War horse」
今回…というよりこれまで観た舞台の中でいちばん感動したかも。
NY9回目にして初リンカーンセンター。NYに到着した翌日にBoxOfficeでなんとかチケットをGet。

凄い凄いとは聞いていたけど本当にこれは凄かった。
本物の馬よりも馬らしい…というか単に限りなく本物に近いというだけでなく、パペットだからこその表現の素晴らしさに泣けました。
馬も人間も同じ。怯えたり安心したり、誰かを恋しく思ったり…。

最初は仔馬として登場するジョーイ。ひたすら可愛い。
競りで落されてアルバート少年の家に連れられてくるのだけど、最初はそりゃあもう怯えて怯えて。
根気よく餌を食べさせようとするアルバートに、少しずつ心を許していく小さなポニーの感情の揺れ動きが手に取るようにわかる。
小首をかしげて、ぎこちなく近づいてくる様子とか…可愛かったなぁ~^^


時は流れて仔馬から成長した姿に変わる場面は見物!
もちろんパペットなので人間が3人がかりで操作しているのだけど、あまりにも完成度が高い創造物って目に映る現実を超越するんですね。
2階席からオペラ無で観ていたのに、脳裏には本物の馬の躍動をあたかも大画面で観た場面のように焼き付いている。
これぞ舞台芸術の極み。

成長したジョーイは、アルバートと離れ離れになり戦場に送られてしまう。
パペットだけでなくて、舞台そのものの表現も素晴らしかったです。
小さな細長いスクリーンに影絵のように情景が写し出されるだけの本当にシンプルな舞台。

後半、離れ離れでもジョーイとアルバートの強い絆が感じられる場面がある。
鞍をつけてもらうために自ら人に歩み寄るジョーイ。
この場面の伏線となるエピソードが前半にあって、観客席からは笑いがこぼれていたけど私はここでボロ泣き…。

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帰国前夜に観た舞台。
帰りの地下鉄では、もう次に来る時が待ちきれなくてカレンダーを穴があくほど見つめてしまった。

写真ではわからないけど、中に入っている人、完全に馬になりきって嘶いて(いなないて)います。

本当に本当に素晴らしいものを観せていただきました!
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by nao201009 | 2011-11-09 22:19 | 観劇記録(NY)

PARADE 

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リンカーンが暗殺されたBox席。犯人は南部連合支持者の俳優だったとか。


1999年のトニー賞で脚本賞と楽曲賞を獲っている作品。
今から約100年前、南部ジョージア州で実際にあったレオ・フランク冤罪事件を題材とした作品。
レミゼ以外にこれも観たくなり、リピートも想定の上、貴重な3泊をDCに捧げたのでした。

そもそもミュージカルとしては重すぎないか?ストプレや映画で扱われそうな題材ではないかと思ったのですが…。
ミュージカルファンなら一度は訪ねているであろうこちらのサイトで劇評を読み俄然興味がわきました。

NYなど大都市だけではわからないもうひとつのアメリカ。
複雑な南部社会の実態を浮き彫りにする冤罪事件。
誰もが心の奥に秘める闇。それはなんらかのきっかけで見境のない敵意へ変わり、扇動されて完全に理性のタガがはずれる恐ろしさ。やっぱり究極に重かった…。

ナンバーはどれも印象的。特にオープニングで歌われる「The old red hills of home」
故郷ジョージアを讃えるゴスペル調の壮大な合唱曲。
旅行期間中、NYに移動してからもずっとこの曲が頭から離れなかった。

静かな田舎街で起こった暴行殺人事件。被害者は14歳の少女Mary。
殺される直前、Maryは給料を受け取るためにLeo(Maryの働く工場の主)の事務所に立ち寄っていた。

そして様々な人物がそれぞれの事情で「Leo=犯人」の土台を固めていく。
事件を扱う検事Dorseyの陰湿な企みや、ジャーナリストTom Watsonの売名行為。
LeoはNY出身(北部出身)のユダヤ系。
さっさと事件を片付けるには格好の犯人像。民衆の憎悪を煽るにも格好の犯人像。

CDで聞いた時から一番気になっていたのは、Maryのお葬式の場面。
ここで歌われるMaryのボーイフレンドFrankieのソロ「It don't make sense」と参列者たちのコーラス「There is a fountain」は鳥肌もの。
Frankieは終盤、犯人への憎しみを力の限りのロングトーンで歌いあげ、そこに鐘の音が不協和音で絡みつく…。
この先の不条理な展開を暗示するのにこれ以上の楽曲編成はないと思う。

裁判シーンでは、Frankieや、Leoの工場で働く人間が次々とでっち上げの証言を積み上げていく。
そして、陪審員の判決「guilty(有罪)!」が響き渡り…。
ここでプロローグの「The old hills of home」が一瞬流れ、それはすぐさま不気味に明るい不協和音のメロディに変わり、Leoと妻Lucille以外の登場人物がみな判決に狂喜乱舞して踊り出す…。

怖いです。この場面。この怖さはMusicalならではのもの。
壮大な合唱曲が場違いに陽気な不協和音へと移行する様は、人間の建前と本音(無意識下の悪意とか)を見せつけられた思いがする。
きっと、ひとりひとりは普段は善良な人物。それが集団となった時、それぞれの心の奥深くに眠る憎悪が呼びさまされ増幅するような・・・

Dorsey検事と取引をして、決定的な偽証をする黒人の囚人(仮釈放中?)Jim Conley。
彼もまたアメリカの闇を象徴する人物。
彼によって(作品の中での)真実が明らかになる場面では思わず寒気が…。

物語後半では、妻Lucilleの奮闘でなんとかLeoの死刑は取り下げられる。
牢獄でのピクニック。シートを広げて寝そべって。夫婦の絆を確かめ合うふたり。
泣けるんだここが…。それだけにその夜の出来事がやりきれなくて…。これが実話だという事も。

ラストはまた「The old hills of home」の大合唱。
彼ら(表面は善良な人々)はこの曲を免罪符のごとく朗々と歌い上げる.........

未亡人となったLucille。「私はジョージアの女よ(だからこの土地から離れられない)」
歌う彼らをおもむろに見まわしながら最後はそのコーラスに加わるのだけど(歌ってはいなかったかな)
そんなLucilleを観て、なんとも解せない思いとともに部外者には立ち入れない何かを感じました。
その土地に生まれた定め。その時代に生きた定め。
強烈なイデオロギーが根付いている土地に生きる事って・・・

こんな感じで本当に重くて、感想を書いて改めて「やっぱりこれはマチソワ無理」と思ったくらい。
でも、でも絶対またいつか観たい作品です。
初演とはだいぶ違う演出になっていると思うけど、演出によって受け止め方がだいぶ変わる作品だと思います。
ロングランはないでしょうが、いつか期間限定でBWリバイバルはあってほしいな。

いや、本当に曲はどれも素晴らしいです。様々なジャンルが混在しているのだけど、この作品でこの場面、この人物描写、心理描写はコレしかない!と思えるから不思議。
Jason Robert Brown、「お名前だけは」という感じでしたが、彼の他の作品も観てみたくなりました。

それとストーリーを追うだけで精いっぱいでしたが、それぞれ役者さんも素晴らしい熱演でした。
特にJim Conleyを演じた方が印象的。
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by nao201009 | 2011-11-03 22:31 | 観劇記録(DC)

Les Miserables DC公演

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2月にシカゴで観たのと同じプロダクション。バルジャンが変わってました。
後はほとんど同じキャストだったかな。
あいかわらずパワフル!今回のバルジャンがまた暴走振りに輪をかけてます(笑)

まず、東宝版のオリジナル演出にどっぷり浸った後で改めての感想。
身もフタもない言い方をするとセットが邪魔・・・。
たとえばlovely ladies。上手に娼婦小屋のようなセットが配されて、そこに娼婦たちがいます。
オリジナル演出の、ガランとした舞台中央に浮かび上がる幻想的な雰囲気がなくなっちゃって残念。
あれもセットがない舞台ならではの見せ方だったんだなぁ。

あと照明による演出効果が希薄になってしまったかな。
前回観て、あまりにもジャベールの印象が薄くて、感想を読み返しても何もないくらいだったのですが。
役者さん自体は良かったと思うのだけど、病院でも下水道でも、新演出では対決場面にインパクトがなくなっちゃった。
あの音楽とともに、暗闇にバーン!と突き刺さるような照明で登場するからこそ「これぞジャベール」だったのに。
新版ではドカドカ袖から走りこんでくるんだけど、あれでは狂気を帯びた執念が伝わらない。

新バルジャンおもしろかった~。
もしサカケンさんがバルジャンを演じたらこんな感じかな、と。
(ちなみに私はサカケンさん好きです!何を隠そうアンジョで一番観てるのは彼)
Bring him homeを大声量で歌い上げ、エピローグでもお迎えに来たファンティーヌに「支度できたぞー!」「今日で終わりだ!」みたいな感じ(笑)

こんな異色のレミゼ、これはこれで面白いし、なんといってもアンサンブルの迫力。
One day moreが始まると、一斉にグッと身を乗り出すような観客の熱気。
歌声が物体に感じられる。天井を突き破りそうな力強さ。
この迫力。そして観客のどよめき。幕間のむせかえるような高揚感。
そうか、私はまたこれをもう一度だけでも体感したくてDCまで来たんだ。

それにしても、ケネディセンターのオペラハウス(2300席)が連日のように満員になる。
3日目の夜も観ておこうかと思ったら無情にもSold out。
やっぱりレミゼはレミゼなのでした。
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by nao201009 | 2011-10-22 22:56 | 観劇記録(DC)

太平洋序曲、再び。

前楽、観てきました。
結末を知ってから観るともう1幕から泣ける。
香山が自宅へ万次郎を誘い、楽しそうに俳句を詠み合いながら2人で歩く場面なんてねぇ…(泣)

改めて観ると深いです。色々と考えさせられます。
日本人のDNAというものがいつの時代も受け継がれていて、それは自分の中にも確実にあると思ってみたり。
開国時の混乱も、勤め先が「ある日突然外資系」を体験している人なら身につまされるだろうなー。
それでもなんだかんだで乗り越えてしまうたくましさ。内向きだけどしたたか。香山のイメージ。これが「日本人」なのかな。
逆に欧米気質を備えた万次郎は、あの状況の中で日本文化に傾倒していくわけですね。

万次郎の「日本人なら刀を抜け!」の悲痛な叫びが頭から離れません。
改めて思うけど、これアメリカ人が作った作品なんですよね。。

軍国主義の台頭から敗戦、高度経済成長を経て現在へ。一気に駆け抜ける狂気的なラスト。
今さらながら凄い国だ…1976年の初演時は「そんなに急いでどこへ行く?」と警笛を鳴らされた「NEXT」だったのかも。
そしてその疾走の果て、暗雲に覆われた現在「どうなるこれから?」と自ら問いかける日本人による日本人のための「NEXT」なのでしょうか。

素晴らしい公演でした。本日千秋楽、皆様お疲れさまでした!
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by nao201009 | 2011-07-03 21:50 | 観劇記録(国内)

太平洋序曲 

NY初演は1976年ですか。
この時期のソンドハイムの創作意欲ってすごい。
といっても興行的に成功とはいえない作品だったでしょうけど、それは無理もないですね。
「日本開国」という史実に基づいて、ここまで完全に日本の立場で書かれた作品だったなんて…そりゃあアメリカ人にとっては興味の対象にはならないでしょうねぇ。

当時の、彼らの「日本人に対する認識」で演出された舞台。どんなだったんでしょうね~。ちょっと怖いもの見たさで観てみたいかも。
でも、それはあくまでも演出だけの事で、音楽性とか脚本的には「日本人」に対してとても真摯に取り組んでくれていたんだなぁ、という事がわかります。
それが亜門さんによって「アメリカ人が作った事がわかる」程度の微妙な違和感で仕上げられている感じ。絶妙です。
各国の士官をデフォルメしているのは亜門版オリジナルかな?ちょっと仕返し?(笑)

面白かったし泣けた。つまり、よかったーー!!
とにかく劇場の空間全体を利用するような演出が斬新。
黒船来航の場面なんてゾクゾクしちゃった。客席中央を貫く花道も。
水面に浮いてるような舞台も。(島国ニホンですからね)

曲も良かったです。
「帰り待つ鳥」かな?香山(八嶋さん)の着付けを奥さんが手伝うシーンで…いいシーンだったなぁ。あれは日本人にしか表現できないと思ってしまいました。
2幕の「A Bowler Hat」も。いかにもソンドハイムという感じ。心情がそのまま曲になるという。

ストーリーも、香山と万次郎の関係があんなふうに変わってしまうなんて(もちろん史実とは違うけど)
激動の時代、大きなうねりの中で誰もが必死に日本の将来を考えて生き抜こうとした結果の悲劇なんだろうな。あぁ。泣けた。
これをアメリカ人が(しかもソンドハイムが)書いたのかと思うとよけいに泣けた!

ラストの「Next」は…この曲も1976年初演当時からあったんですよね?やっぱりすごい。
このラストは、きっと再演されるごとに、その時代を生きる人々の想いが込められて歌いつがれていくためのナンバーですね。
この作品がBroadwayで葬りさられたままにならなくてよかった。今の日本で演じられてよかった。


最後に。
2階席から見てたのですが、この舞台ってオケが舞台の両ななめ上(舞台至近のBox席みたいな)にあるんですね。
コンダクターの方がもしかして…と思ったら!やっぱりレミコンを振ったDavidさんだー☆♪★
4年前に10周年コンサートのDVDを観た時からお気に入りだったのです。昨年の25周年コンサートでも登場してくれて感無量だったのだけど、まさか生で観れるなんて。
決めた、来週また観る!
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by nao201009 | 2011-06-26 00:13 | 観劇記録(国内)

What a Wonderful World!

GGR 千秋楽観てきました。
あらためてやっぱりおもしろい、この作品。off broadwayでもやらないかな。
パッと見、しがないサラリーマンがグチャグチャ言ってるだけの舞台なんだけど。
それぞれのキャラを掘り下げたら社会の縮図になりそう。

中でもやっぱりローマはねぇ…。切ないねぇ…。
もちろんレヴィーンへの憐憫も感じる。でもそれ以上にローマがね。

彼らのような悪徳セールスでなくとも、決してモチベーションのおちない人っているものです。
事務所が荒らされ、汗水流して獲得した契約書も盗まれて怒りを爆発させるローマ。
「無駄な仕事だ!」と言いながらも、いそいそと契約の取り直しに行こうとする。
もちろん一度成立した契約は書面の有無によらず有効なのだけど完璧主義がそうさせるわけですね。「客ネタ」への執着も、追い詰められたレヴィーンと違ってローマの場合は本能がそうさせているように見える。
たとえ明日、世界が終るとわかっていたとしても普通に「客ネタよこせ!」って言ってそう(笑)

目的のためにしか働けない人間がいるとしたら、働く事自体が目的の人間もいる。
でもローマが切ないのは、それだけじゃなくて。
それだけのモチベーションを維持しながらも結局一匹狼にはなれず。
あれだけの罵声を浴びせた若造上司にあいかわらず「客ネタ」をねだる。
かつてのレヴィーンのように飛び込みセールスで充分やっていけそうなのにね。
おのれもまた「会社人間」である事を露呈させるあのラスト。唐突な終わり方も現実を強調しているようで秀逸。

冒頭の「Wonderful World」は「さー皆さん、こんな世界を笑ってやってください」って事?

それとローマって、一瞬「実はいい人?」って思わせるのだけど。
あれはなんというか…ただ単に「人の感情」に敏感なだけですね。
敏感なだけで決して共感はしない。まさに天性の詐欺師?
いや、資質はあるけど何かが欠けている人物なんだろうなぁ(「客ネタありき」でしか働けないとか)
深いよ、石丸ローマ!

(他の役者さんも皆さん素晴らしくて濃密な舞台だったのだけど、結局石丸さんしか観てなかったらしいです。。)


実は映画も観ました。
え・え~!エド・ハリスがモスだったの?!ケビン・スペイシーが若造上司だったなんて~!
見応えあったー!
アル・パチーノも素敵なんだけど石丸ローマのキャラ観ちゃうと物足りない(笑)
そして映画は完全にジャック・レモン(レヴィーン)が根こそぎ持ってきますね。
もう、最後のあの泣き笑いのような表情…もう、もう…(号泣)
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by nao201009 | 2011-06-19 22:04 | 観劇記録(国内)
これ、スクリプト欲しいです。
いえ、石丸さんの口から発せられたお下劣セリフを確認したいわけではなく(笑)
働く励みになりそうなセリフが満載だったから。

確かに詐欺まがいなんだけど、ここで繰り広げられている世界は、営利企業で働く者であれば多かれ少なかれ他人事ではないはず。

石丸さん演じるローマは情け容赦なく人を食い物にするけど、あの仕事への情熱は私利私欲だけではないんですよね。いる、こういう人。悪の正義っていうのかな。

坂東さん演じるレーヴィン。
自分の仕事のやり方ががすでに陳腐化している事も、下から軽んじられている事もイヤというほどわかっている。精一杯の虚勢が哀愁を誘う。

本部から監視員気どりで派遣された若造上司とかも。いるいる~!
まさに企業社会の縮図のような舞台。

これ見せたら泣くだろうなーと思う知人が少なくとも3人はいますよ(笑)
追い詰められた者同士の連帯感とか、現場たたきあげの意地とかね。

もう、ローマがクーリングオフしようとする客を必死に説き伏せる場面なんて胸が痛くて観てられなかった…
ここでレーヴィンもいい仕事するなぁ。
若造上司に向かってローマが吐き捨てた言葉。レーヴィンが戒めた言葉。メモりたかったよ~!

そんなわけで、この世界は決して「ひと昔前のアメリカ」でもなければ「サブプライム後の日本」でいま始まった事でもなくて、古今東西、普通に一般企業で繰り広げられる現実だと思う。

なぜ大学教授などに解説させるのだろう…机上の空論炸裂。(言っちゃった!)
その点、やっぱり石丸氏はさすが。
後からパンフ読んで大興奮しちゃいました。掘り下げてますねー、ローマという人間を。
しょせん「井の中の蛙」とは。そうそう!そうなんですよね。それもまた現実。
石丸さん、サラリーマン経験なんてなかったですよね?

いいもの観ましたー。楽も観ます!
映画も観たくなった。
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by nao201009 | 2011-06-11 23:31 | 観劇記録(国内)

Sweeney todd

スプラッターものが苦手で映画は未見。舞台も今回初めて。
刃物での殺戮場面とか、直接的な描写じゃなくても「想像させられる」だけでも本当は苦手で…
実際、直視できない場面も何度かあったけど。
できればもう一度観たい!ソンドハイム作品の中でもマニアが多いのがわかる。

無実の罪で投獄され、最愛の妻と娘を奪われた男の復讐劇。その結末はあまりにも哀しい。
18世紀末のロンドン。貧困と無秩序によって猟奇的殺人が多発した時代。
闇に生きるゾンビのような市民たち(アンサンブル)によって、冒頭から作品の世界に否応なしに引きずり込まれてしまった。
全編を通してこのアンサンブルは「悲劇はこれからだ」とでも言うように舞台が進行するごとに登場するのが印象的。もちろんソンドハイムの楽曲あっての事。「スウィーニー・トッドのバラード」の荘厳な旋律とまくし立てるような歌詞が不気味にドラマティック。

市村さんの醸し出す悲哀感といったら。
狂気の表現も迫力があった。でもそれ以上にその狂気とともに愛する家族と幸せに暮らしていた頃への回顧が常にあるようで…それだけにあのラストは哀しすぎました。
なんとなく物腰が慎ましやかなところが悲哀感を倍増させる。
ごく平凡な幸せを大切にしていた人間がどん底に落とされて、時代の闇とともに復讐の鬼と化した悲劇が決して絵空事ではないリアリティにもつながります。
けっこうブラックな笑いを起こす場面も多いのだけど、常にテンションの高いラヴェット夫人と対照的に虚無的な感じもよかった。

そのラヴェット夫人を演じる大竹さん。
歌唱力を度外視したキャスティングである事にまったく異存はありません。
そもそもラヴェット夫人の最初のソロなんて、ちょっとやそっとの人でもまず歌いこなせない難曲。
中途半端なくらいなら、開き直って臆する事なく堂々と声を出すだけの方がサマになる。そういう意味では素晴らしい役者魂を見させてもらいました。
でもその分演技で納得させられたかといったら微妙に不完全燃焼。ドカドカ笑いは取っていたけど…ラヴェット夫人の役割って?
あのラストに向けての伏線はもっとラヴェット夫人によって提示してほしかった。

一方で、かの人物(ネタばれかも…汗)の「ある場面」での演技は直接的すぎて…あそこで真実が晒されてしまうのは勿体ないなぁ、と思ってしまう。
他もみんなこの演出なのかな。

脇で光っていたのはジョアンナ(生き別れ状態のトッドの娘)を演じるソニンちゃん。
彼女と田代万里生さん演じるアンソニーのデュエット「Kiss me」は、以前youtubeで偶然見て終日頭から離れなかったお気に入りのナンバー。
これも地声と裏声の切り替え、そのうえ早口言葉ばりの難曲だけどしっかりモノにしていて感動。
(養父と結婚させられる事になって)発狂寸前の状態で歌われるナンバーで聞きごたえあり。
声楽出身の万里生さんと歌ってもまったく引けをとらず。

あとは…なにしろ初見なので、ストーリーを追う事にいっぱいいっぱいで…。
武田真治さんのトバイアスとかも、注意深く見ればその役割の大きさを実感できたと思うのだけど。
万里生さんもよかったです。何度となく歌われる「ジョアンナ」というナンバーも好き。

それにしても終盤、トッドが復讐を果たせるか、あわや娘を…(キャーッ!)となる場面からの怒涛の展開にはもう…心臓悪。
でも、できればもう一度見ておきたいし、海外での公演も観たい。

そうだ、ソンドハイムなだけに歌詞がてんこ盛りでぶっちゃけほとんど聞きとれません(笑)
でもその状況には海外観劇で慣れっこだし、歌詞を聞くのに神経を使うより、場面ごとの雰囲気や人物の心情を読み取る事に専念した方が絶対楽しめる。
あぁ。それにしても哀しすぎる結末だった…。
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by nao201009 | 2011-05-22 18:35 | 観劇記録(国内)

いい公演だった

レミゼ 5.15 ソワレ(現キャスト)

新妻さんのファンテが観たくて確保していたチケット。
新妻ファンテ…よいっ!!聖子さん、あなたもやってくれました~!
歌うまっ!あんな余力たっぷりの「夢破れて」は初めて。
それも決して歌唱力を誇示するような歌い方ではなくて、ちゃんとファンテーヌの歌声で…感無量。
演技もおもしろかった~!(え?)
「みんなと同じはイヤ」という思惑が見え隠れ(笑)
想像どおり「気丈なファンテーヌ」ですね。
髪を売る時も「10フラン、よっしゃ!」みたいな。ご臨終場面も生きる気満々のまま逝ってしまった、みたいな(笑)
エピローグでも自信たっぷりのどや顔で。ぜーんぶ褒めてます!大好きです、聖子ファンテ。

エポニーヌは真打ち笹本さん。
前回に輪をかけた行儀の悪さ。もうやりたい放題(笑)玲奈ちゃんだから許されるのでしょう。
反面ここぞという場面の切なさにも磨きがかかって。また一段と上手くなったなぁ、としみじみ…。
「on my own」のメリハリとか「one day more」で行進しながらのソロパートの声量にも、さすがの貫録を感じます。

そして3週間ぶりに観た上原アンジョルラス。
歌う時だけでなく普通の立ち振る舞いでも、動きのひとつひとつに重みがあって…革命のリーダーたる重要人物オーラが倍増。
でも、いわゆるカリスマではなくて質実剛健なリーダーという感じ。温かみもある。
矛盾を承知で言うならば、日本男児ならではのアンジョルラス。

バリケードでは、前回と全然違う演技になっていてびっくり。
「ともに飲もう」でグランテールと絡んだ後、バリケードを登る後ろ姿は前回観た時よりも気丈な背中。
でも途中でマリウスが「死んでもいいさ…」とうじうじ言い出すのを聞いたとたん、力尽きたように膝をつき肩を落してしまった。張り詰めていたものがプツッ、と切れてしまった瞬間のように。
そのまま「Bring him home」に入るのだけれど…。
SP公演の時にも思ったのだけど、今回このバリケード場面って「死を潔し」とするニュアンスを出さないように配慮されている気がする。

市民は来ないのか…信じていた理想の一片が崩れかけていく。
理想は叶わない、それでも死ぬのか。死んでいいのか。アンジョルラスも苦悩するんですよね。

「市民はこない…それでも僕らは恐れる市民を見捨てない…」絶望が滲む歌声。
「命を大切に、子供ある者と女たちは去りなさい…」やっとの思いで振り絞るような悲痛な歌声。
だからこそ最後の絶唱「死のう!…」では、覚悟を決めた散り際の一瞬、強烈な命の輝きが放たれる。

その一連の感情の揺れ動きが、上原さんのアンジョだとめちゃくちゃリアルで切ない。
この先、彼のアンジョルラスが何年観れるかわからないけど、たとえ来年すぐ再演されたとしても、今こうして観ているアンジョルラスは二度と観れない今だけのもの。
もちろん演出が変わるという事もあるけど(しかもアンジョファン憤慨必至の)
それよりも初舞台をまっさらな状態で務める演じ手自身の魅力によるところが大きいと思うので。
バリケードで何度となく見せる、緊張と不安を必死で噛み殺している横顔。 
重圧と戦いながらこの名作名場面の重責を担う…その等身大の姿がアンジョルラスの使命感としてリアルに伝わるのかも。

なんといっても他の若手とは明らかに一線を画すスケールの大きさ。
次回以降は、グッとカリスマが出てしまいそうな気がする。(それはそれで観たいけど)

…♪…♪…♪…

今井バルジャンをレギュラーキャストで観たい。アンジョは上原さんで。
この希望が叶うなら、早起き頑張れる。
そしてその唯一の週末公演日は…TOEIC受験日だった(泣)

まあ、単なるレベルチェックだから流しても構わないんだけど、1階補助席で約15000円(受験料込)かぁ…う~ん…。
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by nao201009 | 2011-05-15 23:42 | 観劇記録(国内)

SPキャストを観た

11日ソワレ。
私は2000年代以降の新参ファンなので、SPキャストにはそれほど思い入れはなく・・・
楽しみだったのは、バルジャンでいちばん好きな今井さんと、97年くらいに一度だけ観ている歌穂さんのエポニーヌ。
もちろん岡さん・禅さんの化けっぷりも楽しみ。
結果、いろ~~んな感想があるけど、これだけは心に刻んでおきたいと思うのは・・・

歌穂さん、最っ・・・・高・・・!!
「これが本当に最後です」とご本人は恐縮されていましたが、いえ、あなたはぜんぜん普通にエポニーヌです。
まったく年齢を感じなかったといえば嘘になるけど(歌声以外の声にはやはりそれなりの年季が)
仕草のひとつひとつに魂の込められた演技。
「コゼット 思い出す・・・」の場面だけで早くも涙腺が・・・。
「立ちつくす他にすべがない」というよりどころのなさで歌われるあの「on my own」がまた聴けてよかった。

岡さんのアンジョルラスはたぶん初見。
歌よし、見栄えよし、これぞ伝説のアンジョルラス。
でも「one day more」の隊列での満面の笑顔は、理想に燃えるアンジョルラスというより「またアンジョがやれて嬉しくて仕方ない岡さん」にしか見えない(笑)
バリケード場面では、気持ち抑えめの演技に見えました。
これはたぶん色々な事情に配慮しての事なのかな。「命を大切に…」の歌い方とかとても繊細。
当時リアルタイムで、まだ無名だった頃の岡さんのアンジョを観れた人は幸せですね。
レミゼ黄金期を築いた伝説のアンジョルラス。ご本人とファンで共有される万感の思い。いいなぁ。

そして禅さんマリウス。
すごい。ちゃんとマリウスだった…!!
もう声が全然違うんですけど!どこからあんな若い声出せるの??
ジャベール楽からほんの数日という事を考慮すれば、ええ、見た目も十分マリウスだったと言ってあげたい。
それもステレオタイプではなくて、例えばプリュメ街の場面なんて、妙にテンション高くって歌声も上ずり気味。いかんせん相手がサヤカちゃんなので、どうしたって年齢差に違和感はありますよ。
そこを逆手にとったかのような挙動不審ぶりが、年甲斐もなく若い娘に熱をあげている中年マリウスの愛らしさになっている。やっぱり天才だ、この人。

そして2幕、そのいぶし銀の輝きは最大限に。
マリウスって、つくづく魅力的に演じるのが難しい役だと思う。でもそのキーは対エポニーヌにあったんだ。
エポニーヌにコゼットへの手紙を託すという行為。それには「気持ちをコゼットに伝えたい」という願いと並列して「エポを危険な戦場から遠ざけたい」という切実な想いがあるんですね。
禅さんは後者に重きを置く演技。
「なぜ戻ってきた!」の迫力にハッ!とさせられ…うっかり惚れかけました。
観た事もない、想像もできなかった大人なマリウス。現役当時はどんなマリウスだったんだろう…。

今井さんのバルジャンもとても良かったんだけど、できれば現役キャスト日に観たくなり…
キャスト表とにらめっこ中。

やっぱりスペシャル企画もの。よけいな事考えすぎちゃう(笑)
純粋にレミゼの世界に浸るなら現役キャストですね。
もちろんみなさん、ラスト演出のためにひと肌脱いでくれた心意気には感謝です。
SP版、あと1回は必ず観る予定。
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by nao201009 | 2011-05-13 23:46 | 観劇記録(国内)